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NECとトレジャーデータが顧客データ基盤領域で業務提携、顧客データの統合と活用を実現するサービスを提供

 日本電気株式会社(以下、NEC)とトレジャーデータ株式会社は19日、顧客データ基盤(以下、CDP:カスタマーデータプラットフォーム)領域で業務提携すると発表した。

 両社は業務提携を基に、新たにワンストップで顧客データの統合と活用を実現する「カスタマーインサイトサービス」の提供を開始し、NECのDXオファリングメニューに追加する。また、NECは、トレジャーデータをはじめとしたテクノロジースタートアップとの協業を通じ、企業のデータドリブンなビジネスに対する支援策をさらに強化していくとしている。

カスタマーインサイトサービス関連事業の全体像

 カスタマーインサイトサービスでは、顧客データが統合されていないことによるビジネス課題を抱える企業を対象に、AIを用いて顧客体験の最適化を実現するサービスをワンストップで提供する。具体的には、トレジャーデータが開発するCDPソリューション「Treasure Data CDP」の導入から、データ加工、活用支援までをワンストップで提供する。

 ユーザー企業のデータドリブンで、かつ正しい顧客理解の実現を支援するため、データ分析専門チームと顧客サポートチームを立ち上げ、両社合わせて50人を超える体制を整え、順次拡大していく。両社は効果的なユースケースやシステム設計におけるベストプラクティス、技術支援を一貫して提供することで、顧客データの統合、活用を通じた価値創出の向上に貢献する。

 さらに、企業がCDP上で保有するデータと、NEC独自技術を連携することで、高精度な顧客属性拡張やレコメンドなどを実現する。具体的には、NEC独自のAI「消費者属性拡張」技術により、自社サービスの利用履歴などから顧客ごとに特性を付与するだけでなく、オープンデータや社外データから顧客の類似ユーザーを発見し、その類似ユーザーの特性も顧客データに付与する。これにより、自社の顧客データのみでは観測しきれなかった新たな特性を顧客データに付与でき、おすすめ商品の設定やマーケティング上の顧客分析などを支援する。

 また、ユーザーの嗜好が不明な状態からでもパーソナライズを実現する「オンライン最適化」や、使い慣れたIDで複数サービスを利用できる「IDコネクトサービス」などのNEC独自の技術やサービスと連携するとともに、「NEC I:Delight」のサービスである顔や虹彩を使った生体認証を共通IDとして利用することで、顧客理解を深め、顧客体験(CX)の向上や新サービス開発に貢献する。

 NECとトレジャーデータは今後、CDPの導入支援をはじめとして、顧客データを活用した法人営業・コンタクトセンター領域の高度化や製品ライフサイクルの効率化、さらには新規事業や製品・サービスの製造・開発など、企業のビジネス全体を支える顧客データ基盤として、金融・交通・エネルギー・小売りなど多様な業種の企業を対象に事業展開し、カスタマーインサイトサービス関連事業で2025年度末までに100億円の売り上げを目指すとしている。