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ヤフー、トレジャーデータと連携し、 データクリーンルーム「Yahoo! Data Xross」を提供開始[ニュース]

ヤフー株式会社は4月17日、トレジャーデータ株式会社と連携し、新たにヤフーのデータを利活用したサービス「Yahoo! Data Xross(ヤフー・データ・クロス)」の提供を開始した。

 

昨今のサードパーティークッキーの規制や「改正個人情報保護法」の施行、iOS14.5における計測環境の変化などにより、企業のマーケティングのあり方が大きく変化している。企業は顧客のプライバシー保護を前提としながら、自社サービス内で顧客との接点を築き、その企業内に散在する顧客データを統合・分析・活用していくことで、顧客とのエンゲージメントを強固にする体制を構築することが、これまで以上に求められている。

 

このような背景を受けてヤフーは、トレジャーデータが国内外450社以上に提供している顧客データ活用サービス「Treasure Data CDP」内に格納されたデジタル広告やメール配信、アプリプッシュ通知の履歴などの企業が保有する顧客データを、プライバシー保護を最重視した安全な環境で取り扱い、ヤフー(Yahoo! JAPAN)が保有する購買意向や興味関心などのデータを用いて分析ができる「Yahoo! Data Xross」の提供を開始した。
※「Yahoo! Data Xross」を利用した分析結果は、ユーザー単位ではなく、統計データのみ閲覧可能。

 

これにより、企業はより深い顧客インサイトの抽出やレポートの作成、分析結果をもとにした有効な広告配信の実施が可能になる。「Yahoo! Data Xross」では、これまで困難だった実購買データやオフラインコンバージョンへの広告貢献の可視化などができる世界を目指す。なお、「Yahoo! Data Xross」では、LINEなどのZホールディングスグループ企業の保有するデータとの連携も、将来的な構想として検討している。

 

■「Yahoo! Data Xross」の特長
1. プライバシー保護を最重視した環境かつクッキーレスに対応したデータ活用
「Yahoo! Data Xross」では、「Treasure Data CDP」に格納された顧客データを、プライバシー保護を最重視した安全な環境で取り扱える。企業は従来のクッキーベースではなく、顧客IDをベースとして得られる統計的な顧客インサイトの抽出や広告効果の計測ができる。「Yahoo! Data Xross」上で分析した結果は統計データとして扱われるため、個人を特定することなく閲覧可能。

 

2. 企業の担当者自身による分析や検証を可能にし、マーケティングDX推進を後押し
「Yahoo! Data Xross」では企業の「Treasure Data CDP」環境下で、Yahoo! JAPANの保有するデータを使った分析や検証を、マーケティング部門などの担当者自身で行うことができる。両社のデータを活用することで、従来より深い顧客分析や顧客理解を進められるため、企業のマーケティングDXの推進を後押しする。

 

3. データの活用や収集で継続的かつ効果的なマーケティングを実行
企業の顧客データと「Yahoo! Data Xross」のデータを活用して顧客理解を深められるため、従来のメディアプランありきでのマーケティングプランの策定ではなく、企業の事業に直結したマーケティング手法を再定義し、継続的かつ効果的な広告配信や計測、分析を行うことが可能。

また、将来的に見込みがある顧客層へのリーチや獲得を目指すことができるほか、その見込み顧客層の統計データを活用することで、企業は自社が保持する顧客データのさらなる拡大および強化を図ることができる。

ABOUT 柏 海

柏 海

ExchangeWireJAPAN 編集担当 日本大学芸術学部文芸学科卒業。 在学中からジャーナリズムを学び、大学卒業後は新聞社、法律・情報セキュリティ関係の出版社を経験し、2018年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。デジタル広告調査などを担当する。