IoTを活用してカスタマーエクスペリエンスを強化する

「モノのインターネット」がついに本格化

IoT

さまざまな業界の企業がインターネットオブシングズ(モノのインターネット、IoT)に対して依然明るい展望を抱いています。反面、そのメリットは当初の予想ほど速くは実現されていません。インターネットに接続された機器、いわゆるコネクテッドデバイスに対する高揚は2013年あたりを境にやや落ち着きましたが、テクノロジーは着々と成熟し、企業はIoT投資で顕著な結果を出しつつあります。ガートナー社の予測では、コネクテッドデバイスは2020年までに200億台に達し、IoT製品を採用する企業も65%を超える見込みです。

エコノミストインテリジェンスユニットによる調査報告書「IoTビジネスインデックス2017」で、世界中の企業幹部825人が自社と業界に与えるIoTの影響について意見を述べています。調査に参加した企業幹部はIoTについて「製品やサービス、あるいは社内業務やビジネスモデルの再編成を促すデジタルトランスフォーメーションの原動力になる」、さらに、「IoT技術の導入は長期的な成功に不可欠である」と答えています。業界に対するIoTの影響に関しては、5分の1が「すでに多大な影響を及ぼしている」と回答し、32%が「顕著な影響がすぐにも及ぶ」と確信していました。

「IoTデータ特有の価値は消費者に関する重要な知見をリアルタイムで獲得できるところにあります。人工知能と自動化技術を駆使しながら、人が気づきさえしない問題を解決し、あるいは問題そのものを回避することにより、消費者の関与を最大限取り除くのです。」

IoTはモバイルに取って代わる

トレジャーデータのIoT成功事例

オーディオスピーカーのメーカーから、車載用、家庭用、事業用の電子製品をグローバルに提供するエレクトロニクス企業へと躍進したパイオニアは、100万台を超えるコネクテッドカーのIoTデータを活用して、新規の事業開発に注力しています。

パイオニアはセンサーデータを収集し、ビッグデータの分析モデルを開発するにあたり、トレジャーデータとの業務提携を選択しました。パイオニアのマーケティング部門は、トレジャーデータが開発した分析エンジンを活用して、運転者の行動、車両の位置、使用状況(速度や燃費など)、走行条件、経路などをモニターし、安全運転を支援する付加価値サービスの提案や、顧客、パートナー、エンドユーザーの利益となるようなイノベーションの促進に取り組んでいます。


Arm Treasure DataはIoTによって大規模なビジネスディスラプション、いわゆる創造的破壊が起こるだろうと考えており、弊社のカスタマーデータプラットフォーム(Arm Treasure Data eCDP)でもIoTを中核的な要素の一つに位置づけています。5年もすれば、IoTインターフェイスは私たちの日常生活でモバイルアプリよりもずっと普通の存在になるでしょう。グーグルホームやアマゾンダッシュボタンのようなデバイスはすでに多くの家庭に入り込み、あらゆるものが自動化される世界の先駆けとして、データが人の手を借りずに電化製品を動かし、食料品や日用品を買い置くような未来を彷彿させます。

大規模なパラダイムシフトにはつきものなのですが、時々の創造的破壊の重大さが完全に理解され、企業が競争力の強化にどう活用すべきか答えを出すまでには数年の時を要します。1990年代のインターネットしかり、2010年頃以来のモバイルしかり。ここ数年、トレジャーデータ(Arm Treasure Data)はモバイルデバイスで買い物をする消費者を顧客とし、利益の最大化に取り組む小売業者を支援してきました。例えば、Wish.comの場合、トレジャーデータ(Arm Treasure Data)のプラグアンドプレイ型のカスタマーデータプラットフォームを導入し、マーケティング、営業、カスタマーサービスなど、各部門のシステムから毎日170億件のイベントデータを取り込んでいます。Wishは顧客の行動データと機械学習による予測技術を活用することにより、スマートフォンであれタブレットであれ、顧客の視界に入るものの95%は必ずその人に関連のある商品を表示できるようになりました。結果、Apple App Storeのショッピングカテゴリーでナンバーワンのアプリにのし上がりました。

トレジャーデータのIoT成功事例

臨場感溢れるゲーム体験を提供するためにバーチャルリアリティを活用した結果、サビオス社はデータ収集の問題に直面しました。サビオスの幹部はユーザーの体の動きを理解し、この理解に基づいて新しいタイプのデータを集める必要があると考えました。

トレジャーデータはサーバーのログ、PCクライアントのデータ、ゲームコンソールのデータを収集、再処理して、ゲームのプレイ時間、ユーザーの利き手、再度プレイする確率など、意思決定に有用な知見を獲得できるようにしました。コネクテッドデバイスから得られる粒度の高いデータを活用して、アバターのパフォーマンスを最適化することにより、サビオスは初心者のオンボーディングを改善し、エンゲージメントを高めることに成功しました。結果、サビオスの「Raw Data」はVRゲームでは初めて1ヶ月で100万ドルの売上を達成しました。


今日、Arm Treasure DataはIoT革命の最前線に陣取り、コネクテッドデバイスのセンサーからデバイスデータプラットフォーム(DDP)に流入するデータを活用して組織改革に取り組む企業を支援しています。企業の保有する顧客データが量も種類も増え続ける中で、Arm Treasure DataはこのDDPが今後業界標準として急伸するだろうと見ています。さまざまな業界の企業がArm Treasure Dataと連携しつつ、IoTデータを最大限に活用して、画期的な製品開発、業務効率の改善、サービスのパーソナライゼーション、サポートの不満解消を実現し、より豊かなカスタマーエクスペリエンスを提供しています。

また最近の傾向として、コネクテッドデバイスから獲得しうる顧客知見とIoTの活用事例について調査を実施する企業が増えています。この現象はエコノミストインテリジェンスユニットの調査結果とも符号するもので、この調査では回答者の35%が「(新技術や新製品を早い段階で採用する、いわゆる)アーリーアドプターの経験に学ぶ」、同じく35%が「外部の専門家やコンサルタントに助言を求める」と答えています。さらに、27%が「自前で、あるいは外部の機関に委託して、市場規模や需要を判断するための調査を実施」していました。

IoT活用のメリットを考える

IoTの活用を始める場合、どのようなデータが会社に最も大きな価値をもたらすか、このデータを安全に保管し、管理し、分析し、競合優位につなげるにはどうすべきかについてよく検討する必要があります。

IoTデータ特有の価値は消費者に関する重要な知見をリアルタイムで獲得できるところにあります。人工知能と自動化技術を駆使して、人が気づきさえしない問題を解決し、あるいは問題そのものを回避することにより、消費者の関与を最大限取り除くのです。まさに驚異的なカスタマーエクスペリエンスです。

Arm Treasure Dataは、将来的にIoTデータが企業に三つの重要なメリットをもたらすと考えます。

マーケティングの改良

CRMデータ、ウェブサイトの問い合わせフォームからのデータ、市場調査のデータなどは顧客の興味や関心について広い視野を与えてくれますが、IoTデータは文脈的な要因の分析に強く、顧客の行動の予測につながるデータです。実際、あるクライアントはIoTデータを活用して冷蔵庫の購入と車の購入意向の相関関係を発見しました。また、コネクテッドデバイスは製品使用に関する貴重な情報を提供してくれます。この情報を関連するマーケティング活動に反映させ、顧客との長期的な関係構築に活用することもできます。例えば、空調設備の使用状況を追跡すれば、そのデータをもとにフィルターの買い換え時期を知らせたり、予防的なメンテナンスを勧めたりできます。

製品とサービスの改良

VRゲームを提供するサビオス社の事例は、IoT機器の使用状況に関するデータが、製品の最適化や改良を支える情報の宝庫であることを示しています。ユーザーによるゲームコンソールの操作状況を追跡することにより、カスタマーエンゲージメントを強化するための貴重な知見が得られました。IoTデータはサービスのカスタマイズにも貢献します。例えば保険会社なら、車の使用状況に応じて保険料を決めるなど、まったく新しい保険料設定を提案できるかもしれません。

サービスとサポートの改良

消費財であれ産業用であれ、製造業でIoTデータを活用すれば不良品の発生を予防したり、サポート業務全般を改善したりできます。IoT機器がもたらすデータを保守管理に組み込めば、突発的な修理を最小限に抑えることも可能でしょう。家庭用電化製品、産業用重機の別を問わず、予防的な保守点検は、メーカーに顧客ロイヤルティの向上と新規事業の機会をもたらします。

Arm Treasure Dataは業界でも有数の包括的なエンタープライズ向けカスタマーデータプラットフォーム(Arm Treasure Data eCDP)を提供するものとして、顧客に対する統一的で360度の視点がきめ細かなパーソナライゼーションを可能とし、消費者に大いに歓迎される購入体験の提供につながることを知っています。

Arm Treasure Dataは完全に機能するエンドツーエンドのIoTソリューションを提供します。ネットにつながるあらゆる機器や機械からIoTデータを柔軟かつ安全に取り込み、多様なデータソースから抽出したデータと関連づけることができます。IoTデータはサイロ型のシステムにしまい込んでは意味をなしません。このデータを単一のArm Treasure Data eCDPに統合する能力があってこそ最大限に活用できるのです。

IoTによってプライバシーの問題は拡大するのか?

近年、データ共有は、法人と個人の別を問わず、どのような種類の顧客にとっても気懸かりなテーマです。プライバシーとデータの保護に関する限り、企業は常に予見的に行動し、GDPR等の規制についても、要求以上のコンプライアンス対策を講じるべきでしょう。

IoTデータを既存のデータ領域に導入する場合、IoTデバイスから収集するデータのプライバシーはもとより、デバイス自体の安全についてもよく考慮しなければなりません。IoTデータはマーケティング活動やカスタマーサポートから集めるデータを含め、ほかのあらゆる個人データと何ら変わるところはありません。データの安全や保護に関しても、同等のレベルで対処する必要があるでしょう。

データの安全な取り込みは、優れたカスタマーエクスペリエンスの提供に欠かせない要素であり、それはIoTデータに限ったことではありません。企業は収集したデータを安全に運用するために、堅実なポリシーとガイドラインを整備し、個人データの取り扱いについては顧客に対しても広く周知を図るべきでしょう。

今すぐ行動を

今こそ、IoTのメリットを理解し、IoTに備わる変革力を効果的に活用するときです。Arm Treasure DataはIoTの導入と活用を強力に支援します。