Treasure DataUser Meet Up 2024

2024年3月5日、東京・日比谷でトレジャーデータのユーザー様限定イベント「Treasure Data User Meet Up 2024」が開催されました。コロナ禍を経て、久しぶりに行われた対面イベントです。

トレジャーデータ米国からこのイベントのために来日した3名も登壇し、最新情報などを紹介しました。イベントの後半では、新たなユーザーコミュニティの発表と、Treasure Data Japan Customer Awardsの発表がありました。

日本でも米国でも、マーケターの課題は同じ

イベントは、トレジャーデータ株式会社 Customer Marketing Managerである松本の司会で進行し、まず米国から来日した3人が自己紹介を行いました。その後、トレジャーデータ株式会社 シニア・プロダクト・マーケティング・マネージャー前田がモデレーターとなり、グローバルCMOのMark Tackと、CDP導入経験があり現在は小売業界のインフルエンサー、コンサルタントでトレジャーデータのエグゼクティブアドバイザーも務めるArt Sebastianの2人に話を聞きました。

セッションに先立ち、会場にいるユーザーの皆様にアンケートを取ったところ、マーケターの方が約8割、IT部門の方が約1~2割でした。参加者の多くがマーケターであることを踏まえて、MarkとArtが質問に答える形でセッションは進みました。

(左から)トレジャーデータ株式会社VP of Solution Engineering 朴 慶七、米トレジャーデータ Chief Product and Technical Officer Karl Wirth、Chief Marketing Officer Mark Tack、NexCapter Chief Executive Officer Art Sebastian、トレジャーデータ株式会社 Senior Product Marketing Manager 前田恵

Q:米国のマーケターが最近直面している課題は?

Artは「課題の1つ目は『データ』で、Cookieの廃止で消費者の追跡がますます困難になっています。2つ目は『規制強化』です。プライバシーや同意について、ECサイト、Webサイト、アプリ、行動データなど膨大なデータをセキュアに管理する必要があります」と日本のお客様が直面する課題と似ていると思われる課題を共有しました。

続いてMarkが、「あるお客様は、トレジャーデータCDPの中に、42カ国の9,000万件の消費者データと2,000件のデータソースを持っています。組織ごとに様々なソースを統合して活用する必要がありますが、膨大なデータの中から必要十分なデータを抽出して活用することは容易ではありません。また費用対効果も重要です。マーケターはいかに低コストで成果を上げるかを常に課題としています」と述べました。

「マーケティング部門とIT部門の協力は不可欠ですが、CMOとCIOでは視点が違うため折衝が必要になることもある」と述べ「皆さんも共感できるのではないか」と会場に投げかけました。

米国のマーケターが最近直面する課題について共有するArt
お客様の活用事例をご紹介する米トレジャーデータが開催するCDP Worldについて紹介するMark

Q:トレジャーデータはこのような課題の克服にどのように役立つのか?

まずMarkが、セグメント化した顧客に対する施策で効果を最大化したり、クロスセルやアップセルで売上を向上させたりする例を出した後、お客様の活用事例などを紹介するイベントCDP Worldについて紹介しました。

Artは「私は様々な大手テクノロジー企業と仕事をした経験がありますが、トレジャーデータは製品ロードマップに対し非常に真剣に取り組んでいると思います。お客様の声に耳を傾け、業界やビジネスニーズを観察し、お客様の課題に対処するために製品ロードマップを調整しています」と、述べました。

続いてMarkは「私自身、同僚や似た課題を抱えているユーザーからたくさん学んできました」と述べ、課題を解決したり、新しいことを学ぶ場としてのコミュニティの重要性を強調。

Gartnerが、マジック・クアドラント™でカスタマーデータプラットフォームのリーダーにトレジャーデータを認定したニュースも紹介しました。

ジャーニーオーケストレーションやAIの機能を拡張

次に、トレジャーデータ株式会社VP of Solution Engineeringの朴がモデレーターとなり、CPTO(Chief Product & Technology Officer)のKarl Wirthとセッションを行いました。

Q:製品開発チームとして念頭に置いていることは?

Karlは開口一番に「日々考えているのは皆さんのことです」と述べ、「顧客を理解し、関連性の高いコミュニケーションをする重要性は、以前から言われてきましたが、それが技術的に可能になってきました」と続けました。

しかし「76%のマーケティングリーダーが顧客の全体像を把握していると回答する一方で、それに同意する消費者はわずか25%にすぎない」という調査結果を紹介し、「私自身も、私宛のメールやメッセージの半分以上は自分には無関係の内容だと感じています。

本当に関連性の高いパーソナライズしたコンテンツを届けなければなりません」と述べました。

Q:トレジャーデータCDPで何が解決できるでしょうか?

「こちら(図1参照)は昨年のCDP Worldでご紹介したスライドです。多くの方に利用いただいているBatch CDPに加え、顧客をリアルタイムに理解してアクションを取るためのReal-Time 2.0、およびAI、そしてこの3つをジャーニーオーケストレーションUIで統合する製品マップです。他社のジャーニーツールはメールシステムがベースになっているものが多いですが、我々のジャーニーオーケストレーションUIは、広告、コールセンター、モバイルアプリ、Webサイトなどすべてのチャネルを統合します」(Karl)

製品開発チームとして大切にしていることを語るKarl
図1

Q:AI関連機能について教えてください。

「まもなくリリース予定のAI for Marketersというソリューションでは、マーケティング担当者自身がRFM分析やLTV(顧客生涯価値)による顧客のグループ分けなどをできるようになります。データサイエンスチームは、もっと高度なことや新しいことに挑戦できるようになるでしょう。またこれはまだ確定ではありませんが、AIがジャーニーの提案をしてくれるような機能も準備中です」(Karl)

ユーザーコミュニティ名を「Treasure Data Rockstars」に決定

セッションに続いて、トレジャーデータのユーザーコミュニティ再発進についての発表がありました。

コミュニティ名は「Treasure Data Rockstars(トレジャーデータ・ロックスターズ)」に決定。デジタル広告、CRM、プラットフォーム、データガバナンスの4つのカテゴリーのリーダーとなるChampの方5名をご紹介し、ご挨拶いただきました。お名前などの詳細はこちらをご覧ください。

また新たに、ユーザーのオンラインコミュニケーションの場もローンチ予定だと発表しました。

(左から)OpenStreet株式会社 マーケティング統括 データサイエンス部 部長 山田 慧史氏、CCCMKホールディングス株式会社 営業企画・推進本部 事業企画部 部長 島田 正明氏、 株式会社TSI プラットフォーム本部 ストラテジー&アナリティクス部 データマネジメント課 課長 竹山 健司氏、株式会社SUBARU IT戦略本部 デジタルイノベーション推進部 新規ビジネス企画グループ 兼 国内営業本部 ビジネスイノベーション部 カスタマーエクスペリエンスグループ 兼 技術本部 高度統合システム 主査 小川 秀樹氏

Treasure Data Customer Awardsを受賞した3社を発表

Treasure Data Japan Customer Awardsは、Treasure DataCDPを活用してビジネスの成功に向けて先進的な取り組みを行っているお客様を表彰し、社内外で取り組みの認知度を向上していただくことを目的としています。3つのカテゴリーでそれぞれ1社ずつを発表し、表彰しました。

  • Future Insight Award株式会社ベルシステム24様
  • Digital Engagement Award株式会社三井住友銀行様
  • Loyalty Innovation Award資生堂インタラクティブビューティー株式会社様

受賞者には、トレジャーデータ アジア太平洋地域のマーケティング責任者の生江より記念の盾が授与されました。

プログラムの結びに、生江が「我々はこれからも皆様の会社が成功すること、そして会社だけでなくRockstarsのように一人一人がより輝く石になれることを目指して、トレジャーデータ全体で支援してまいります。これからもぜひよろしくお願いします」と述べ、第一部は閉会しました。

Treasure Data Japan Customer Awardsの詳細については、プレスリリースをご覧ください。

懇親会ではユーザー同士が活発に交流

引き続き、懇親会が行われました。
懇親会の途中に、米トレジャーデータのVice President of Product Management であるJohn Grundyが、「ジャーニーオーケストレーションは、私が入社して初めて手掛けた製品で、このように実際の成果を上げている事例を伺いとても嬉しいです。カリフォルニアの開発チームにも知らせます。引き続き製品に関するフィードバックをぜひお寄せください。これからもお客様と一緒に製品を育てていきます」と挨拶しました。

懇親会では、よりリラックスした雰囲気で、ユーザーのお客様同士があちこちで名刺交換をしたり、情報交換をしたり、時に笑い合ったりしている姿が見られました。

トレジャーデータでは、今後も対面イベントやオンラインコミュニティのようなユーザーの皆様と交流したり、ユーザーの皆様同士がつながったりする場をご提供していきます。
そしてユーザーの皆様が、より製品についての理解を深め、製品をより有効に活用することで、皆様のビジネスの成果を上げるためのご支援に取り組んでまいります。