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中古ブランド品の買取/販売をつなげるデータをAIエージェントが抽出 カスタムされたAIエージェントを作成し、CDPのデータ活用を効率化、高度化する

事例顧客
  • 株式会社サークラックス
    Markrting & Growth部 Brand Marketing課 マネジャー
    山崎 真澄氏
  • 株式会社サークラックス
    Markrting & Growth部 Brand Marketing課
    佐野町 絵里氏

カスタムされたAIエージェントを作成し、CDPのデータ活用を効率化、高度化するーーいま、もっとも注目されるTreasure Data CDPの機能のひとつが、AIエージェントファウンドリーだ。ここでは、2025年にAIエージェントファウンドリーを導入し、約3カ月で現場での実用に至ったサークラックス社の事例を紹介する。AIへの期待と現実、さまざまな社内事情に向き合いながら、ブランド品の買取・販売「ブランディア」の施策につなげている。

中古ブランド品を扱う難しさ
買取と販売の間で顧客の好循環を作るのが、Treasure Data CDP導入の狙い
実用可能なAIエージェントを構築
AI活用の取り組みを推進し、ブランド事業を超えたプロジェクトへと発展
AIとの対話でエージェント独自構築
データ活用を全社展開していくことで、会社の成長に貢献したい

すべて「一点もの」の中古ブランド品を扱う難しさ

リユース品の流通事業などを幅広く手掛けるオークネットグループにあって、ブランド品の領域を担うサークラックス。そのなかでも山崎氏は、中古ブランド品の買取・販売を行う「ブランディア」のマーケティングを担当する。主にオンラインの宅配買取、自社ECサイト、ECモールでの販売といったWeb施策で、データ活用に取り組んできた。

同社は買取部門と販売部門のそれぞれで顧客を持ち、従来は基幹システム上で顧客データが別々に管理されていた。しかし、ブランド品ユーザーという点で両者の顧客は共通する点が多く、ひとりの顧客が売り買いを両方行うケースも少なくない。 データを統合して顧客理解を深め、買取と販売の間で顧客の好循環を作るのが、Treasure Data CDP導入の狙いだ。

マーケティングのデータ活用を進めるなかで、サークラックスは2025年にAIエージェントファウンドリーを導入した。背景には、「専門のアナリストなどは社内におらず、マーケターが手ずからデータ分析を行っている」(山崎氏)という実情がある。同社では、ほぼすべてのマーケターがSQLを扱い、顧客セグメントの抽出、商品を軸としたアドホック分析などをメインに、Treasure Data CDPを活用している。顧客データ、購買データ、Web行動ログなどをCDPに統合し、データドリブンな施策の立案、実行を目指す。

そんななかで、マーケターの個人間にあるSQLスキルの差は課題となっていた。「高度なデータ集計を扱うマーケターもいるが、人によっては簡単な抽出にとどまる」と山崎氏が言うように、属人性が払拭できなかったのだ。

ブランド品の買取・販売という、事業上の事情もある。すべての中古ブランド品は、同じ状態の商品がふたつと存在しない「一点もの」であり、適切な「見せ方」や値付けも個別に異なる。特にブランディアは扱うブランドの幅が広く、価格変動の激しいジャンルも少なくない。

こうした環境で、商品ごとの施策を実行するには、複雑なアドホック分析が必要になるなど、マーケターの手間が大きく、すべてを人の手で行うには限界がある。マーケターが適切にデータ分析を行い、個別商品のプロモーションとして具現化することが、難しい状態だった。

チューニングを繰り返し実用可能なAIエージェントを構築

スキルの偏りによる業務の属人化、仮説の立案や検証を行うリソースの不足を解消することが、同社がAIエージェントファウンドリーを導入した目的だ。

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山崎氏は「商品軸のデータ分析を行う AI エージェントの構築から着手した」と、取り組み当初を振り返る。多くのCDPユーザー企業が「顧客軸」の分析を行う中で、ユニークなアプローチにも見えるが、「社内では顧客軸より商品軸の分析が多く行われていた」と山崎氏は事情を説明する。

中古ブランド品の販売では、日々細かな価格調整が行われ、時間とともに価格が下がる傾向がある。つまり、買取商品の販売スピードが、利益確保に大きく影響する。山崎氏らは、商品回転日数と回転率(買い取った商品が売れるまで)といった、KPIのなかでも特に重視される指標を、AIエージェントで容易に抽出できる環境を整えようとしたのだ。

実現すれば、データに基づいて商品ごとの買取・販売価格の設定や調整、販売チャネルの選択など、利益率の改善に大きく寄与するはずだ。さらにその先、個別商品のマーケティングのオートメーション化まで、山崎氏は見据える。

実際の構築にあたっては、トレジャーデータのサポートを受けて、プロジェクトを進行した。

山崎氏は最初にAIエージェントファウンドリーを試用した際を振り返り、「AIにデータを投げさえすれば、正しい分析ができるのではないか、と軽い気持ちで使ってみた」と述べる。しかし、「データが多すぎるために、意図したとおりの集計にならなかった」という山崎氏。エージェントの導くデータとSQLを使って手動で抽出したデータを確認したところ、まったく合致しなかったのだ。

「データカラムのディスクリプションをはじめ、テーブルの説明が不十分であり、その状態でAIにデータの中身を理解させることは難しいとわかった」と山崎氏。すべてを整えるのは多大な工数がかかるため、まずは最小限の準備で実用できるエージェントの構築を目指した。前述の商品軸の分析というケースを選択したのは、これまで社内で多くデータが活用され、使いやすいデータセットがすでにあった、という事情もある。

それでもすぐには精度が高まらなかったが、トレジャーデータのエンジニアチームが提供したAIエージェントをベースに、テストとフィードバック、チューニングを繰り返すことで改善していった。結果、3カ月程度で正確なデータを抽出できるようになり、商品軸AIエージェントの運用がはじまったという。グループ全体でAI活用の取り組みを推進していることもあり、現在ではブランド事業を超えたプロジェクトへと発展している。

AIとの対話でエージェントを改善、独自作成

苦心の末、同社が作成した「買取パフォーマンス」分析のAIエージェントは、 買取商品の総数、そのなかで販売済みの商品数とその割合(販売率)、さらにカテゴリ別、チャネル別のパフォーマンスまで、スピーディに抽出する。

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ポイントは、買取から販売までのデータを連携できることだ。「買取部門と販売部門の連携は限定的で、それぞれが個別に自部門の業務に集中していた。買取担当者は買い取った商品がどのように売れるかまで、関知していなかった」と山崎氏。当然、それぞれのデータもバラバラに管理されており、買取パフォーマンスのデータ抽出には、テーブルを複数またぐなど複雑な処理が必要だった。

AIエージェントで両者のデータを統合すれば、買取部門が販売を見据えたうえで仕入れを行うなど、業務を全体最適化できるようになる。同様の取り組みを進めれば、マーケターはもちろん、査定やオペレーションなど、さまざまなシーンでデータを閲覧し、施策への示唆を得られるだろう。「対話形式で、さまざまな軸でデータを絞ったり、掘り下げられるのが非常に良い」と、山崎氏はカスタマイズされたAIエージェントの使い勝手を評価する。

一方で「AIエージェントファウンドリーは魔法の杖ではない」と率直な感想を述べた。同社のCDPには、顧客データのすべてが格納されているが、その内容や意味を、AIがすぐに理解するわけではない。山崎氏とトレジャーデータが行ってきたように、繊細なチューニングが不可欠なのだ。

そのうえで山崎氏は、「AIとの対話を通して、システムプロンプトを改善していけることもわかった」と、前向きな姿勢を示す。今では、トレジャーデータが提供したエージェントをアレンジしたり、山崎氏が始めから構築をするなど、独自のエージェント構築・運用も実践している。

デザイナーからの要望を受けてWebログ分析のエージェントを作成するなど、従来データを見ることのなかったメンバーの活用も、すでに始まっているという。山崎氏は「データ活用を全社展開していくことで、会社の成長に貢献したい」と展望した。

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