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デジタル広告の新たなエコシステム構築に向け、Treasure Data CDPを活用

事例顧客
  • UNICORN株式会社
    PlatformDevelopmentDivision/UnitManager
    成尾 碧衣ナルオ アオイ
  • UNICORN株式会社
    取締役
    璩 暁毅キョ ギョウギ

2025年11月、デジタル広告事業を運営するアドウェイズグループのUNICORN株式会社(UNICORN社)から、メディア収益改善に向けた支援サービス「UNICORN FOR:Publisher」がリリースされた。デジタルメディア(パブリッシャー)が成長するためのユーザーエクスペリエンス改善と収益性向上を両立する新しい仕組みで、その基盤としてTreasure Data CDPが活用されている。
顧客データとその活用を軸とする新しいビジネスモデルの構想について、璩暁毅氏と成尾碧衣氏に伺った。

ファーストパーティデータの活用
Treasure Data CDPのコストをUNICORN社が負担。パブリッシャーがファーストパーティデータの蓄積に活用する
新たな収益モデル
UNICORN社は広告配信の最適化にファーストパーティデータを活用。パブリッシャーはデータ使用料を受け取る
健全なエコシステム
オープンインターネットにおけるユーザーの広告体験、広告主の成長、パブリッシャーの収益を最適化する

ファーストパーティデータの活用でパブリッシャーの収益化を支援

アドウェイズグループの中でも、アドテク領域における新サービスの開発をミッションに設立され、現在は国内最大級の全自動マーケティングプラットフォーム「UNICORN」の提供を行っているUNICORN社。成尾氏は「短期的な収益だけでなく、中長期的にパブリッシャーが持続成長する仕組みづくりを支援したい」と、今回の狙いを語る。

「UNICORN FOR:Publisher」は、オープンインターネットでコンテンツを配信するパブリッシャー向けに設計された新しい仕組み。もっとも大きな特徴は、パブリッシャーのファーストパーティデータを活用した収益化支援だ。パブリッシャーが持つ顧客IDやデモグラフィックデータ、Web上の行動履歴や、自社ECの購買データなどを、Treasure Data CDPで安全に保管。CDPのデータはパブリッシャーが管理・保有するが、利用料はUNICORN社が負担する。

UNICORN社は、CDP上で統合されたデータをセキュアな状態で利用し、提供する広告プラットフォームにおいて広告配信を最適化。広告主への価値を高めるとともに、収益の一部をデータ使用料としてパブリッシャー側に還元する。

ほか、アテンション計測ソリューション「Lumen」の解析データ提供や、ブランド広告主との接点拡大へ向けたコンサルティングなど、幅広くパブリッシャーのデータ活用を支援する内容だ。

パブリッシャーがファーストパーティデータを保持することで、「特性に合わせて、データの使い方をカスタマイズできる」と成尾氏はメリットを強調する。

サードパーティデータを扱う一般的なDMPの場合、デモグラフィックや興味関心など、一般的なセグメントを利用することになる。例えば、自動車のパブリッシャーが、メーカーやボディタイプなど、分野に特化した独自セグメントを柔軟に設計することは難しい。

一方、ファーストパーティデータをCDPで扱えば、分析アプローチを自社で設計でき、分析の幅と精度を高められる。Treasure Data CDPであれば、さまざまなセグメントを柔軟に作成・運用できる。

また、「データの所有権は当社ではなくメディア側にある」と強調する璩氏。UNICORN社が利用するのは広告配信のためのデータに限定されており、顧客データそのものはパブリッシャーの意向で、将来にわたって活用できる資産となる。

とはいえ、UNICORN社へデータ活用をアウトソースする意味も大きい。「メディアからよく聞くのは、データは持っているが活用し、収益化する方法がわからないという声」と璩氏は言う。

広告とデータのプロフェッショナルとして、同社は「潜在層、準顕在層への広告配信でも顕在層に近しい効果を出すことを目指している」(璩氏)という。ポイントはセレンディピティ(思いがけない発見や偶然の出会い)の実現だ。

ユーザーが関心を持ち、すでに自ら調べて知っている情報ではなく、本人も意識していない関心に基づく情報を提示できれば、広告やコンテンツの価値は広がる。

「スポーツカーに興味がある人に、スポーツカーの広告を配信し続けても、効果には限界がある。しかし、例えばその人に子どもがいる場合、スポーツカーのおもちゃを提案すれば、新たな接点がうまれる可能性がある」

(璩氏)

こうしたプランニングには、AIも活用する。例えば、VODのサービスで冒険映画、ラブロマンス、動物ドキュメンタリーを鑑賞するユーザーがいるとする。一見すると嗜好はバラバラだが、それぞれの舞台が美しい海だとすればどうだろう。ユーザーは意識的、あるいは無意識的に、一般的なコンテンツのジャンル分けにはない「海」という共通項で作品を選んでいる可能性がある。

このような横断的な関心軸の抽出は、人手だけでは限界があるが、同社のデータに関する知見とAIにより実現可能性は高まる。同社独自のAI活用とTreasure Data CDPにより、パブリッシャーのデータ活用が高度化すれば、サービスとしても広告媒体としても価値は高まり、収益にもつながるはずだ。

ステークホルダーを巻き込んだ健全なエコシステムへ

「UNICORN FOR:Publisher」の運用は、UNICORN社としても新たなビジネスモデルを創出する取り組みだ。その背景には、現代のデジタル広告に対する問題意識がある。

「オープンインターネットのメディアは広告枠を増やし、プラットフォームは新しい広告枠、広告フォーマットを常に量産している。中には、ユーザーにネガティブな体験を与える広告も少なくない」と璩氏は指摘する。そんななかでは、ユーザーが自己の意思に関係なく広告をクリックしてしまったり、多すぎる広告がユーザーの閲覧体験を阻害している可能性がある。

日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が実施した「2023-2024年インターネット広告に関するユーザー意識調査(定量)」によれば、インターネットユーザーの3割以上が、広告に対してストレスを感じている。

この状況に対し、広告主側からもブランドセーフティを懸念する声がある。

「乱立された広告枠の中には、センシティブな内容の広告も多い。同じ枠で配信されたくない、という声もいただいている」

(璩氏)

一方で、広告から収益を得るメディア側としては、短期的には枠を増やすほど収益も増えるという想定がある。ユーザーの体験を損なっているかもしれないが、厳しい競争環境の中で収益を確保する観点では、広告枠を増やさざるを得ない。そして、多くの広告プラットフォームはメディアのニーズに応える形で、枠を増やしフォーマットを開発する。

つまり、決して望ましいとは言えない現在のデジタル広告の環境は、パブリッシャーの収益性に多分に影響を受けている。しかし、ユーザーの体験がこのまま悪化し、ブランドの毀損が懸念される状況が続けば、広告出稿自体が手控えられ、パブリッシャーの収益がさらに減少する懸念がある。

まずはパブリッシャーの収益の課題を解決し、こうした悪循環を根本から変えようとするのが「UNICORN FOR:Publisher」だ。同社はその先に、パブリッシャー、ユーザー、広告プラットフォームといったステークホルダーすべてを包摂する「健全なエコシステム」を構想する。前述のようなデータ活用で、広告およびコンテンツ配信が最適化されれば、広告あたりの効果が高まり、パブリッシャーは不健全に広告枠を増やさなくても、収益を得られるようになる。

「ユーザーに適切な体験を提供する広告枠をパブリッシャーに提案し、広告主に対しより高いCPMで枠を販売する。広告枠を減らしても収益性が高まることを、私たちのソリューションで証明していきたい」

(璩氏)

まずは、CDPによるファーストパーティデータ活用で、新たな収益が得られることをパブリッシャーに実感してもらうことが重要だ。そのうえで広告枠の最適化を図り、好循環を生み出していく狙いがあるという。

しかし課題もある。新しく時間もかかる構想に、賛同してもらえる仲間づくりだ。

「ファーストパーティデータをどのようにして収益化するのか、パブリッシャーにはイメージしづらい部分もある。当社が用意したTreasure Data CDPを、パブリッシャーが自社で管理するメリットを理解してもらう必要もある。私たちとしても、問題意識を共有し、共に良い広告の環境をつくってくれるメディアをパートナーとしたい」

と成尾氏。各ジャンルを代表するパブリッシャーに声をかけ、少しずつ事例をつくっているところだ。

トレジャーデータとともに壮大な構想を実現する

サービスの実現にあたっては、当初は自前のシステム構築も検討したという。しかし、既存事業と並行して進めるなかで、自社で開発のリソースを確保することは困難だった。Treasure Data CDPの導入により、開発が「一気に前進した」と成尾氏は振り返る。

CDPの選定で重視したのは、パートナーであるメディアの「安心感」だ。

「業界で広く知られるトレジャーデータとなら、安全にデータが扱えると信頼してもらえる」

(璩氏)

トップブランドとしての評価と同時に、璩氏からは「トレジャーデータと一緒に課題に向き合い、Win-Winのビジネスモデルを模索していきたい」との要望を受けた。オープンインターネットの健全な広告エコシステムの構築という壮大な取り組みを、一社で完結させることは難しく、ベンダーだからこそ貢献できることもある。トレジャーデータとしても、よりよい環境の構築に向けて、支援と提案を続けていきたい。 

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