顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)のROI

「コネクテッドカスタマーエクスペリエンス」が導くグローバルブランドの収益向上とコスト削減

グローバルブランドはカスタマーエクスペリエンスを活用し、いかにビジネスを変革しているか

顧客にとって、ブランドとの関係を左右するのは体験です。いわゆる顧客体験(カスタマーエクスペリエンス:CX)が、ビジネスに成功あるいは失敗をもたらします。トレジャーデータをご活用いただいている企業では、顧客データの力を引き出すことで、何億ドルもの収益の増加とコスト削減という驚くべき結果を達成しています。単に顧客データの収集や分析、活用がうまくいっているからではありません。顧客データを競合他社との差別化要因として活用する能力を有しているというのが秘訣です。

この数年にわたって、企業がビジネス環境で生き残り、加えて、際立った存在であるための必須条件は絶え間なく変化してきました。また、COVID-19により、企業は数年という極めて短い期間でデジタルトランスフォーメーションを加速させることを余儀なくされました。企業と顧客とのやり取りにおけるデジタル化の割合は3倍に増加、多くの企業にとって、デジタルの変化に対応し、かつ成長を維持することは非常に困難な状況であったと言えるでしょう。

ブランドは、顧客の期待に応え続けなければならない一方で、複雑化するプライバシー規制にも準拠していかなければなりません。現実では、インフレが続き、物価は上昇。顧客は消費活動に対して今まで以上に慎重になっています。

最良の顧客体験を提供することは「Nice to Have」ではありません。
ビジネスの成功に「絶対不可欠」な要素です。

トレジャーデータは、顧客のプライバシーを尊重しながら、グローバルブランドの顧客体験向上を支援しています。縁の下の力持ちとして、何十億人もの人々の生活をより良く、安全で、便利にするサービスを提供できていることは、私にとってこの上ない喜びであるとともに、大きなチャンスも感じています。

昨今の厳しいビジネス環境で勝ち残るために、ブランドはいかにお客様に喜んでもらえるか、さらに言えば、顧客データを差別化要因として活用し、収益の向上とコストの削減をいかに図るかを考える必要があるのです。

顧客体験の断絶がもたらすもの

顧客はブランドに対して、自身を深く理解し、どの接点でも同じように快適な体験ができることを望んでいます。数多の企業が顧客中心主義に取り組んでいます。 しかし、私たちが日々感じるのは、ブランドと顧客との間にある「断絶」です。

むしろ「顧客体験をもっと良くしてしたい」という意思があるにも関わらず、多くのブランドにおける顧客体験はいまだに快適とはいえません。顧客は常に問いかけています。「なぜ何度も同じことを繰り返さなくてはならないのか? なぜこんなに沢山のメールが立て続けに届くのか? なぜ、愛着のあるブランドに対するこの気持ちは報われないのか?」

膨大な時間や労力、予算が顧客体験に投資されているにも関わらず、どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?

「データの断絶」に答えがあります。顧客中心という目的と、現実に生じている顧客体験の結果の間には、サイロ化したデータ、時代遅れのテクノロジー、不十分なデータ品質がという壁が立ちはだかっています。これらによる断絶は、機会損失や非効率な業務によって、企業に大きな損失をもたらす可能性があります。

顧客体験が寸断するたびに、顧客は競合他社に乗り換えることを考えるようになります。PwCの調査によると、米国の顧客の59%は、数回嫌な体験をすると、愛着のあるブランドを見捨てることが分かっています。顧客の17%は、たった1回の嫌な体験で離れていきます。Qualtricsの調査では、グローバル市場でのこの数値は80%に上ります。このようなかたちで顧客を失うことは、ブランドにとって致命的です。

しかし、一貫性のある顧客体験(コネクテッドカスタマーエクスペリエンス)を提供することで、驚くような成果を上げることができます。トレジャーデータの顧客企業であるU.S. Soccerは、Treasure Data Customer Data Cloudを活用してロイヤルティプログラムの改善を行い、更新率を350%向上させました。

「コネクテッドカスタマーエクスペリエンスをすべてのビジネスの中心に据える」
この、トレジャーデータのビジョンを、皆さまに是非共有させていただきたいと思います。

「コネクテッドカスタマーエクスペリエンス」とは?

「コネクテッドカスタマーエクスペリエンス」は、企業に存在するすべての顧客データを用いて、あらゆるチャネルと全ての部門を横断し、顧客一人ひとりにパーソナライズされた体験を提供します。オンライン、店舗、電話、チャット、あるいはVR環境での顧客とのやりとりでさえも組み合わせて、一人の顧客の行動に寄り添い、顧客の嗜好に応じて必要なもの、望むものを提供する。これが「コネクテッドカスタマーエクスペリエンス」が実現した状態と、トレジャーデータは考えています。

継続的なロイヤルティに報いるためにターゲットを絞ったプロモーションを行ったり、顧客に懸念があればただちに対処したり、注文履歴を把握するなどのシンプルなことかもしれません。ビジネスを維持するために特別な努力をした企業について、人は多少なりともエピソードを持っているでしょう。これが、リピーターを生み出す体験です。

このような体験の提供は、マーケティングや顧客と直接相対するサービスチームにとどまるべきではありません。企業内のあらゆる部門が顧客の真の姿を表す単一のデータのもとに連携する必要があります。全部門が1つのブランドとして機能するとき、顧客と企業のコミュニケーションは常に一貫し、前回の続きから始まります。顧客はブランドから自分が尊重され、理解されていると感じる瞬間です。

これが「コネクテッドカスタマーエクスペリエンス」です。すべてのチームとすべてのテクノロジーが連携することで、顧客がカスタマージャーニーのどの地点に存在するとしても、その時の条件に応じてつながりを生み出す、連続的な体験を作り出します。

1つのチーム、1つの体験

企業のあらゆる部門が、カスタマージャーニーの全ての段階で連携することで、顧客は皆、自身が尊重され、理解されていると感じます。

Treasure Data Customer Data Cloudによって収益を高め、コストを削減する

多くの企業が私たちの提供するCustomer Data Cloudを、マーケティングキャンペーンに大いに役立てています。しかし、ビジネスチャンスはさらに大きいのです。

顧客体験を向上させ、ビジネス効率とビジネス成長のどちらも促進するためには、企業は一人ひとりの顧客をデータから理解する必要があります。あらゆるブランド、あらゆるチャネル、そしてビジネス全体で顧客データの価値を最大化してはじめて、断絶は解消されます。

カスタマージャーニーのあらゆる段階において、すべての部門とテクノロジーが連携し、個別にパーソナライズされつつも押し付けではない心地よい体験を提供しなくてはなりません。顧客一人ひとりに価値を感じてもらうと同時に、あらゆるブランド、あらゆる国の多くの顧客のニーズに対応するためには、規模を拡張することも求められます。

これを実現するのが、トレジャーデータが提供するクラウドベースの顧客データ基盤ソリューション、「Treasure Data Customer Data Cloud」(トレジャーデータ カスタマーデータクラウド)です。私たちは、企業がデータの断絶を克服し、顧客対応部門や業務部門など企業のあらゆる組織に、顧客との過去のやりとりやリアルタイムでの行動、AIを活用した予測に基づく統合された顧客プロファイルを提供します。また、トレジャーデータはデータプライバシーを尊重しています。顧客からの信頼を得ることなしに、企業が優れた顧客体験を提供することは不可能です。安心安全な顧客データ管理が可能な基盤ならびに機能をご用意しています。それにより、企業は顧客のプライバシーを守り同意に基づいたデータ管理をビジネスを展開する全ての国およびブランドに適用することができます。顧客の嗜好を尊重しながら、顧客対応部門と業務部門の効率性向上だけでなく、リスク低減をも実現します。

Customer Data Cloudで、企業は非常に大きな成果を得られます。例えば、SUBARUは顧客データを活用し、販売代理店の成約率、さらには製品開発に至るまでで、様々な企業活動に影響を与えています。その結果、大幅な収益の増加と効率の向上、そして顧客獲得単価の38%削減を実現しています。

競争の激しい現代においては、結果を得るまでにかかる時間も無視できません。SUBARUのマーケティングチームが仮に自社でソリューションを開発した場合の期間は、1年という試算結果でした。トレジャーデータのサービスを活用したことで開発期間を80パーセント短縮。数週間の構築の後、3カ月で運用を開始することができました。

subaru、ビジネス全体で顧客データのパワーを解き放つ

Customer Data Cloud を活用した、顧客体験創造、コスト削減し、収益向上について、ご興味をお持ちの方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。

※本ブログは「The ROI of Customer Experience」の抄訳版です

太田 一樹
Treasure Data, Inc. CEO 兼 共同創業者

2011年に米国シリコンバレーにてトレジャーデータ社を芳川、古橋とともに起業し、最高技術責任者(CTO)に就任。2021年6月より最高経営責任者(CEO)。
世界最大のHadoopユーザーグループである日本のHadoopユーザー会創設に尽力。分散・並列コンピューティングのエキスパートとしても知られる。