レガシーシステムからCDPへ、アップグレードのタイミングとは?
コスト削減か? 機会損失による収入減か?
アップグレードに投資するか? 古いソリューションに固執するか?
限られた機能か? それとも無限の可能性か?
レガシーシステムをいつアップグレードするか?企業にとって、これは大きな問題です。ここでは、レガシーな顧客データシステムに固執することの落とし穴と、CDPにアップグレードすることのメリットについて説明します。
レガシーシステムの落とし穴
ビジネスユーザーは、長く利用してきたシステムに特別な愛着を持っています。しかし、そのシステムが、いつまでも他に比べて優れているとは限りません。企業のニーズがレガシーシステムの機能では対応しきれないと感じたときが、古いソリューションに固執し続けることのコストについて考えるタイミングです。
次のようなシナリオに思い当たる方は、CDPで顧客データ基盤をアップグレードする時期が迫っていると考えて良いでしょう。
シナリオ1: マーケティングターゲットを見逃している
今日のカスタマージャーニーは、豊富なデジタル上の顧客接点により、長く、複雑になっています。顧客データの総量は大きく増加し、多様なデータから顧客を理解するための強力なツールが求められるようになりました。顧客関係管理(CRM)プラットフォームのような従来から用いられてきたシステムは、従来想定されていた少数のチャネルを管理するために設計されており、Eコマース、モバイルアプリ、IoT、ソーシャルメディアなどからのデータの洪水に対応するのは困難です。
消費者の行動と、その手がかりを理解するための適切な背景情報がなければ、「すべてを得ようとした施策から結局何も得られない」ことになります。適切な顧客インサイトが得られないために、顧客との関連性に基づかないランダムなメッセージ発信をすることしかできず、マーケターは過去にうまくいったことをやり続けるしかないという結論に陥りがちです。顧客について自分たちが知らないことすら、わからないままなのです。
シナリオ2:システムにユーザーが適応している
レガシーシステムは、一般的に柔軟性に欠くといわれます。あちこちに機能を追加して拡張することはできても、その中核となるテクノロジーは、より高度な機能には対応できないままです。例えば、CRMの機能は年々改善されていますが、データ分析やチャネル間のID認証まで役割を拡張することなく、依然としてコアとなる顧客管理機能を提供しています。
同じことが、データ管理プラットフォーム(DMP)にも当てはまります。ハイブリッドクラウドで構築されたDMPソリューションでさえ、マーテックスタックにおける顧客データプラットフォーム(CDP)の広範なアプリケーションと比較すると差は歴然です。CDPは、DMPのようなターゲティング広告の運用にとどまらず、極めて広範なマーケティングのニーズに対応します。アドテクノロジーやマーテックのあらゆるより柔軟にデータを柔軟に収集します。CDPは、新規顧客やアンノウン(匿名、アノニマスともいう)のターゲティングを主目的とするDMPとは異なり、すでに顧客となっているユーザーをベースにしたコミュニケーション施策もサポートします。
レガシーシステムに固執する企業は、技術力の不足を人の労力で補うことになります。CDPのような新しいソリューションは顧客データの統合を自動化しますが、レガシーなCRMを使用している場合、データをかき集め、複数のインテグレーション開発を行い、適切な顧客プロファイルに関連づけるなど、様々な工数を費やす必要があります。また、CRMのユーザーは、オフラインのデータをシステムに手動で取り込む必要がありますが、DMPやCDPはこれも自動化します。
レガシーシステムを使用し続けざるを得ない組織のもう一つの兆候は、社内のチーム間の摩擦です。最近のレポート「マーテックスタックを最適化し、将来も有効に使い続ける方法」によると、マーケティング部門とIT部門は、マーテックスタックやそのシステムに関してしばしば対立します。マーケティング部門の悩みの種は、新しいキャンペーンや施策の展開の遅さにありますが、IT部門の最大の課題は冗長で多岐に渡るシステムの統合です。レガシーシステムが現在のニーズに適応できないがため、各部門が同じ目標を達成するために別々のルートを取ることがよくあります。
人間がシステムに合わせるようになったら、アップグレードの時期です。
シナリオその3: 競合他社に遅れをとっている
レガシーシステムに依存する企業・ブランドは、重要な顧客との関係を失い、他社との競争に負けてしまう危険性があります。たとえば、次のような場合です。
優れたブランド体験により消費者を惹きつけ、ソーシャルメディアでシェアに値するコンテンツが拡散されていきます。しかし、シェアされる体験そのものはソーシャルメディアプラットフォームのトレンドに大きく影響されます。
顧客プロファイルの統合や顧客一人ひとりのカスタマージャーニーマップといった土台がなければ、ブランド体験に関する意思決定に顧客インサイトを利用することは困難です。CRMやDMPといったレガシーシステムでは、顧客・カスタマージャーニーの一部または一時的なビューのみの提供にとどまりますが、CDPであればすべてを見渡せます。
パーソナライゼーションについても同様です。ブランドがパーソナライズされたエンゲージメントを軽視すると、優れたサービスを提供する競合他社に顧客を奪われてしまいます。正確なカスタマーインサイトから得られる顧客への理解がなければ、ブランドはマーケットリーダーとしての地位を確立できず、競合他社の後塵を拝することになるのです。
CDPにアップグレードするメリット
レガシーシステムに固執することの落とし穴を確認したところで、今度はCDPにアップグレードすることのメリットを見てみましょう。レガシーシステムの適応性の低さ、機能の制限、そして現在のデジタル環境における競争力の低さを考慮すれば、CDPの導入は検討する価値の大きい選択肢と言えます。
CDPはマーケティングプログラムを強化する
カスタマージャーニー上のあらゆる顧客タッチポイントから生み出される多種多様なデータを統合するCDPは、現代のマーケティングに欠かせないツールです。トレジャーデータが行った調査によれば、コンテンツマーケティングや対話型マーケティングを抑えて、企業が今最も必要だと考えるマーケティングテクノロジーです。
CDPは以下のようにマーケティングを革新します。
- キャンペーンのトラッキング: CDPは毎週、毎月といった更新タイミングを待つことなく、フィードバックループと実用的なインサイトを通じて、意思決定に必要な情報を即座に提供します。
- 顧客のセグメンテーションと行動ターゲティング: 過去の購入履歴、接触したコンテンツ、閲覧した製品情報など、一連の購買行動を通じて顧客を把握できます。購買習慣に基づいたオファーを提示するなど、行動に基づいて顧客セグントをターゲティングすることができます。
- 適切にチューニングされたメッセージング: 一斉配信の定形文ではなく、適切なメッセージを適切な顧客に届けます。CDPは、顧客とその行動を、タッチポイントを横断して一元的に把握し、コミュニケーションのパーソナライズを支援します。また、適切なタイミングや適切な配信チャネルをデータから明らかにすることで、ブランドのメッセージを競合他社より顧客に届けることができます。
トレジャーデータが備える、一元化、予測分析、インテリジェントなカスタマージャーニーオーケストレーションといった機能を通じて、顧客データから価値を生み出します。機械学習とデータサイエンスを駆使し、膨大な顧客インタラクションを大規模に処理することで、あらゆるチャネルで一人ひとりの顧客ニーズに応えます。
私たちのプラットフォームでできること:
- 顧客の同意のもとデータを収集、一元化し、シングルカスタマービューを実現します。
- LTV(ライフタイムバリュー)や解約率などの指標を素早く割り出し、次の最良手の提示(ネクスト・ベスト・アクション)を決定・提示します。また、A/Bテストのための顧客インサイトを提供することでキャンペーンを最適化し、最高の結果へと導きます。
- 顧客セグメントを簡便な操作でチャネルに連携したり、カスタマージャーニーオーケストレーション機能を用いて、コミュニケーションを自動化することもできます。
トレジャーデータは、毎月200億を超える顧客プロファイルを連携しています。
CDPはあらゆるタッチポイントで一貫性のある体験を実現
CDPは、デジタルジャーニーの長さに関係なく、顧客体験を高度にパーソナライズします。レガシーシステムでは満足のいく形でパーソナライズを行うことは困難です。CDPで、マーケティング、セールス、カスタマーサポートなど部門を横断して取り組みを調和させ、すべてのチャネルで一貫性のある顧客体験の実現を可能にします。
CDPを活用したカスタマーエクスペリエンスには、次のような特長があります。
- 可視性: カスタマージャーニーを包括的に把握することで、マーケティング活動における顧客のファネル、ステージを特定し、コンバージョンに導くため最適なステップを踏むことができます。
- 適切なタイミング: CDPは予測分析を用いてコミュニケーションの頻度とタイミングを決定します。顧客が広告やメッセージにわずらわされることはありません。
- 一貫性: CDPは、顧客がどのチャネルやタッチポイントを利用しても、同じ体験を提供できるよう支援します。
Treasure Data CDPの最も優れた使用例の1つは、パーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスの実現です。AI、機械学習、マーケットオートメーションを用いて、トレジャーデータは大規模に個々の顧客のジャーニーをパーソナライズします。当社のインテリジェントなCDPは、以下のことを支援します。
- ブランドサイトやモバイルアプリなど、各チャネルにおけるエクスペリエンスのカスタマイズ
- ターゲットを絞ったメール、適切なレコメンデーションなどコミュニケーションのパーソナライズ
- 問題点や混乱を特定し、迅速に解決
- AIが推奨するアクションをサポートチームに提供し、顧客満足度を向上させます。勘と経験に頼ったカスタマーエクスペリエンス戦略を、データドリブンなものへとレベルアップさせます。
450社を超えるグローバル企業が、トレジャーデータを利用してカスタマージャーニーをパーソナライズしています。
CDPは営業部門に重要な顧客インサイトを提供します
販売のチャンスを逃すことは、企業にとって大きな損失です。CDPは、優先度の高い顧客セグメントを明らかにすることで、営業部門が見込み客への商談の機会を逃さないようにします。調査対象の組織のうち55%が、もし手段と担うチームがあれば、新規顧客の開拓を最優先すると回答しています。
CDPは、見込み客の特定とエンゲージメントの他に、社内チームの効率性とコラボレーションを改善します。顧客データ基盤の構築は、顧客データのエコシステムをシンプルにします。これは、マーケティング、IT、セールス、サポートなど様々な部門にとって、見込み顧客の評価(リードクオリフィケーション)と購入後のサービスのやりとりの基礎となるものです。顧客データを一元管理することで、各部門は迅速にコラボレーションし、顧客のニーズにタイムリーに対応することができます。
トレジャーデータのCDPソリューション「CDP for Sales」は、営業部門が重要な顧客インサイトをタイムリーに把握し、アクションを行うことを目的としたソリューションです。ターゲットとする企業アカウント固有のインサイトと、AIによるレコメンデーションで、優先度の高いリードとのエンゲージメントを可能にします。トレジャーデータは、データドリブンなパーソナライゼーションにより、営業部門を支援します。
- 購買意欲の高いオーディエンスの特定
- 予測スコアリングとライフタイムバリューによるリードの優先順位付け
- 適切な施策で優先見込み客とコミュニケーションを行う
- 最新の顧客インサイトを活用した商談期間の短縮
- 成約率の向上
- 顧客獲得コストの削減
トレジャーデータのCDPソリューション「CDP for Sales」は、グローバルで活動する営業部門が顧客データを管理するために構築された、スケーラブルなシステムです。
Forrester Consultingによれば、Treasure Data CDPのROIは802%です。
CDPは、今日の複雑化するデジタル環境において、唯一の効果的なソリューションです。レガシーシステムに固執することで、ブランドは顧客を失い、競合に遅れをとることになります。幅広い機能提供がなされないソリューションでは、ユーザーが時代遅れのテクノロジーに従うことを余儀なくされ、効果的な顧客体験提供は実現し得ません。
CDPは、マーケティング部門が施策を強化し、優れた顧客体験を実現するだけでなく、 営業部門が顧客に関する重要なインサイトも得られるあらゆる部門のビジネスの柱となります。CDPによる顧客データ基盤へのアップグレードが必要です。CDPは意思決定者に必要な情報を、必要なときに提供できるようになるからです。
トレジャーデータのCDPで未来を切り開く
トレジャーデータが提供するエンタープライズグレードのCDPは、マーケティング、セールス、サポートなど様々な分野を変革する幅広い機能により、テクノロジースタックを支えます。サイロ化したデータ、分断された顧客タッチポイント、不完全な顧客ビューなど、レガシーシステムの落とし穴を解消するだけでなく、顧客データを、可視性と保存容量に制限のない統合された単一のデータ基盤に一元化します。
また、統合された顧客ビューを作成し、AIと機械学習を用いて顧客行動を分析・予測します。ターゲットに合わせたパーソナライゼーションを大規模に実現し、マーケティング戦略と予算を最大限に活用できるよう支援します。
お持ちのデータの統合を心配する必要はありません。既存のあらゆるテクノロジースタックと連携する200以上のコネクターが備わっています。また、Treasure Data CDPはシンプルなGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を採用し、組織の様々なメンバーが直感的に操作できるようデザインされています。
レガシーシステムからCDPへのアップグレードをご検討中の方は、導入相談ルームから、是非お気軽にご相談ください。